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中央経済工作会議 2010年マクロ政策の四大焦点
発信時間: 2009-12-08 | チャイナネット

国の経済運営の基本方針を話し合うために毎年一度行われる中央経済工作会議が、今年もこのほど開催された。会議では今年の海外・国内の経済情勢を総括するとともに、2010年の経済活動について全面的な計画が制定された。国際金融危機の打撃に対してはっきりとした成果を上げ、経済を回復軌道に乗せて好転させなければならないが、国内外の経済環境がなお複雑な様相を呈している現在にあって、同会議が打ち出す政策的シグナルをどのように受け止めるかという問題に関心が寄せられている。

以下に政策の焦点になる4つのポイントと関連政策を挙げ、それぞれに解説を加える。

焦点1:積極的な財政政策の重点をより突出させ、国民が財政的な恩恵をより多く被るようになること。

関連政策:財政政策の実施のポイントを突出させ、国民生活に関わる分野や社会福祉事業に対する支援力、保障力を高める。

解説:

財政部科学研究所の賈康所長によると、来年の積極的な財政政策の実施にあたって特に大切な重点は、国民生活に関わる分野や社会福祉事業に対する支援力、保障力を高めることにあり、これはここ数年来の公共財政政策が一貫して掲げてきた目標でもあり、力を入れてきた点でもある。2009年には財政収支の矛盾点が顕在化するという情況の中で、中央政府は「三農」(農民、農村、農業)関連の予算として前年を1205億9千万元(20.2%)上回る7161億4千万元を計上した。また教育、医療・衛生、社会保障、雇用、保障性住宅(低所得層の生活保障を目的とする住宅)、文化といった国民生活に直接関わる民生分野の予算には、同29.4%増の7284億6300万元を計上した。

こうしたことを土台として、来年も引き続き「三農」、科学技術、教育、医療・衛生、文化、社会保障、保障性住宅、省エネ・環境保護などの分野、および中小企業、個人消費、発達の遅れた地域への支援を強化し、重点分野の改革を支援する。これは、多くの人々が公共財政政策の恩恵をより多く被ることができるようになり、都市部住民の所得と生活レベルとが一層向上するということを意味する。

同会議では特に、投資の適度な伸びを維持し、進行中プロジェクトの完成に重点を置く一方、新規プロジェクトを厳格に抑制すべきとの見方が示された。

これについて賈所長は次のような見方を示す。財政政策では▽十大産業振興計画における科学技術研究開発投資への支援を強化する▽新エネルギー、省エネ自動車、医薬・生物プロジェクトなどの分野への投資を拡大する▽新たな人気投資先を形成する▽企業の自主革新能力の育成を誘導し支援する▽企業の技術改良プロジェクトや技術革新活動に対し、政策的な方向性をもった資金的支援、財政補助、税金の優遇政策を与える▽新たな成長点の育成と発展に努力する--ことに重点を置く必要がある。

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