焦点3:所得分配制度の改革を進め、労働所得の第一次分配における比重を高めること。
政策:個人消費ニーズを拡大し、経済成長に対する消費の作用を高める。国民の所得分配に対する調整を強化し、個人の、特に低所得層の消費力を向上させる。
解説:
このたびの会議では、来年には内需の拡大、特に個人消費ニーズの拡大が必要であるとされた。これは中央政府が当面の情勢に基づいて打ち出した科学的な結論だ。社会科学院経済研究所マクロ経済研究室の張暁晶主任によると、ここ数年来、消費拡大に有利な条件が徐々に増えている。農民の所得、都市の「低保」(生活保護)の基準、最低賃金の基準、個人税の課税最低基準などがいずれも引き上げられ、国民生活分野への政府の投資も拡大し、都市化プロセスも徐々に加速している。中央政府が打ち出した国内需要の拡大、特に個人消費ニーズの拡大は、情況に合致したものであり、努力以上の成果を上げるものと期待される。
個人消費の拡大では、第一に個人所得を増やすことが必要だ。そのためには国民の所得分配構造の調整がぜひとも必要になる。現在、中国の第一次所得分配では、労働者の給与の伸びが企業利益の伸びに追いつかないというのが一般的な情況で、両者間の格差は徐々に拡大する傾向にある。これは個人消費の拡大にとってはマイナスだ。国民は金がなければ使えない。ほとんどの国民にとって収入の出所は労働所得であり、こうした情況で所得分配制度をさらに改革する場合のカギは、所得改革を中核としつつ、労働所得の第一次分配における比重を高めるということにある。
これから国は、実施中の家電消費の拡大政策、自動車買い換えの推進政策といった一連の消費刺激措置を継続させ、改善し、政策の連続性と安定性を保つ必要がある。次いで個人の負担を軽減し、国民皆保険制度の建設を加速し、社会保障への投資を拡大し、都市部・農村部の個人消費に対する「後顧の憂い」を消し去り、都市部・農村部の個人が消費を続けることのできる条件を整えなくてはならない。
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