「但し、それは漸進的過程をとるべきで、改善も行き過ぎてはならない。」王教授はこの点を強調する。「これは、中国対外貿易構造のレベルアップにとっては一つのチャンスであるが、その要因に関しては、受け身になってしまっている。この受動的調整を能動的調整に変え、『格安からの脱却』をできるだけ穏やかに進めなければならない。さもないと、政策がコストを支えきれなくなるか、或いは就業問題に大きな悪影響が出るか、いずれにせよ大変大きな衝撃を受けることになってしまう。」
白樹強教授も以下のように話す。中国の「外資系企業 + 加工貿易」を主体とする貿易構造も、今後しばらくは貿易超過を形成できるが、対外貿易における「市場開拓、構造調整、均衡促進」が進むにつれ貿易超過は継続的に減少し、対外貿易の発展はバランスのとれた状態へと向かっていく。中国の輸出企業は、貿易成長方式の転換という基本的方向を把握して、対外貿易構造のレベルアップを実現し、その革新能力や競争力を高める等、早めに対応する必要がある。
孫華妤教授も次のように指摘する。コスト上昇と人民元の切り上げにより、輸出企業の利益は減少する。これまでの製品や市場では利益を上げられないことに気付いた時、企業は新製品開発や新しい市場開拓を進めるだろう。この過程の中で勝ち残る企業こそ、そのレベルアップとモデルチェンジに成功した企業と言えるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年6月22日