秘訣その五:読めないときは手を引く
ロジャーズはウォール街に足を踏み入れてまもない時期に、損をしないことが即ち稼ぐことに繋がるということを学んだ。
二年で成功を収めて大儲けしていた人が、三年目で転んで地獄を見るという事例を当時彼は山ほど経験した。天国から地獄へ落とされる悲劇がウォール街では毎日のように演じられていた。そういったプロのファンドマネージャーは毎日のように取り引きを行わなければならないと考える傾向があり、投資家に毎日なんらかの操作をするよう進言する者が後を絶たない。
ロジャーズに言わせれば、これは最もおろかな助言であり、状況が把握できないときには、国債を買った方がまだマシだそうである。十年に一回しか取り引きをしなくても、銘柄を選び間違ってさえいなければ、毎日取り引きを欠かさない人間よりも多くの金が稼げると言う。