IOT計画の長期的展望
2009年7月、日本のIT戦略本部は日本の新時代を担う情報化戦略を発表した。「i-japan」戦略である。デジタル情報技術を隅々にまで行き渡らせることを目指し、この戦略ではまず三大公共事業に焦点を定めて政策目標とした。行政管理、医療保険情報サービス、教育と人材の育成という三方面のデジタル化であり、2015年までにデジタル技術による「新たな行政改革」を実現することを計画している。行政作業の単純化、効率化、標準化、透明化に合わせて、デジタルカルテ、遠隔医療、遠隔教育などへの応用が盛りこまれており、この「i-japan」戦略を効率的に実行していくために、情報技術に対して1兆円の政府予算が用意された。
人が主体となり安心して暮らせる活力のある社会環境を作るために、「i-japan」戦略には「国民個人電子書類箱」という重要な構想がある。国民自身が自分の情報を管理し、ネットを通して安全かつ確実に給与支払いなど各種の手続が行えるようにするという、ワンストップ電子事務サービスである。この事業は2013年までの実現を予定している。
日本政府は、各種情報や業務がネットを通して提供される「クラウドコンピューティング」の時代にすでに入ったことを認識している。中長期的経済成長を日本にもたらすような新産業が「i-japan」戦略によって開拓されることを日本政府は期待しており、エコ関連技術や情報技術に代表される環境技術と知能交通システムなど重要なプロジェクトの推進に注力している。「i-japan」戦略では、情報技術の人材を育成するという具体目標のほかに、副首相級の最高情報責任者(CIO)という役職を政府内に新設することを明確に規定した。CIOとは、日本情報技術戦略の進捗状況を監督するとともに、各政府部門と実際の担当者に行政・医療・教育デジタル化の認識を高めさせ、情報技術の利便性を国民に享受してもらうことを主目標として新政策を推し進める存在である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月23日