中国社会科学院(社会科学アカデミー)は25日に北京で、2010年度版「国家競争力青書 中国国家競争力報告」を発表した。それによると、中国は2020年に主要20カ国・地域(G20)の五強入りを果たし、2050年には米国に次ぐ世界2位の強国になり、目標実現に向けて取るべき戦略は「段階的な追求」だという。
▽最新ランキングで中国は17位
同青書によると、国家競争力ランキングで中国は緩やかに順位を上げ、ここ20年ほどは飛躍的な上昇を遂げている。
同青書は社会科学院の課題チームにより作成されたもので、まず世界の主要100カ国・地域を対象に、1990年から2008年までの競争力について比較分析を行った。中国は経済規模で世界のトップレベルにあり、高度成長を長期にわたり維持しており、競争力ランキングでは1990年の73位から2008年は17位に上昇した。ランキング上位10カ国は1位から順に、米国、欧州連合(EU)、日本、韓国、シンガポール、ドイツ、英国、オランダ、スイス、フランス。
同青書によると、中国はG20の競争力ランキングで9位につけ、中くらいの水準にあり、今後の上昇の潜在力は大きく、世界の強国の仲間入りを果たしつつあるという。
同青書が描く中国の国家競争力向上に向けた全体目標は次のようなものだ。
2020年までに、総合的に強く、中心的分野ではトップレベルで、全体としては中の上の先進国になる。総合的に強いとは、中国の国家競争力が世界のトップレベルに達し、G20の五強入りを果たすことを指す。中心的分野でのトップレベルとは、中心的な重要な分野、たとえばハイテク技術などの分野において、世界のトップレベルに到達、あるいはトップレベルを超越して、イノベーション型の国になることを指す。全体として中の上とは、国の競争力を示す各指標が世界ランキングでいずれも中の上レベルに達することを指す。