一部地域で労働関係の対立が発生 新世代の出稼ぎ労働者に関心集まる
中国の産業が集中する一部地域で2010年、労働関係が緊張状態となり、対立が発生した。南海ホンダ部品工場の集団ストライキ、富士康の従業員の連続飛び降り自殺が世界を驚愕させた。これまでの出稼ぎ労働者と比べ、「80後(1980年代生まれ)」の出稼ぎ労働者は都市に溶け込みたいという望みが強い。
青書は、都市・農村一体化の推進と出稼ぎ労働者の都市市民化の問題解決は、都市部と農村部の差を縮め、社会の公平というニーズを満たし、中国の経済成長や内需拡大の内在的要求でもあるとしている。
所得分配改革の実施は難しい 「中所得国の落とし穴」に注意
所得差は未だに拡大し続け、所得分配構造の合理化が望まれている。所得分配の改革は既存の利益構造にも関わるため、様々な障害にぶつかり、実施が難しい。所得分配構造における一部の不合理、非合法な要素は国民から不満の声が上がっている。青書は、貧富の差が大きくジニ係数が正常な水準を上回れば、社会の矛盾が高まり、社会の調和と安定に影響するとしている。
中国は今年、1人当たり国内総生産(GDP)が4000ドルを超え、中所得国の仲間入りを果たす見込み。青書は、中国は「中所得国の落とし穴」に注意する必要があるとしている。