社会科学院世界経済政治研究所の張明(ジャン・ミン)氏は次のように述べた。「悪性インフレの可能性は排除できる。しかし、中国は資源輸入国であるため、ドル安の進行が招く商品価格の値上げや国際資本流動などの外部圧力が2011年、中国の輸入型インフレ抑制に対して大きな影響を及ぼす可能性がある」
インフレは中国経済の健全な発展を阻害する主要な要因の一つであると見られている。中国の2010年11月のCPIは前年同期比5.1%増、28カ月ぶりの高水準を記録した。社会科学院の報告によると、中国の大中都市において不動産バブルの傾向が強く、ある都市のバブル比率は実際の価格の割合の50%以上を占めている。
インフレ圧力に対応するため、中国は2010年に預金準備率を6度引き上げ、金融機関の預金準備率は18.5%に達した。しかし、同時に注意すべきは、国内の流動性がやや大きいため、融資の規模を早急に抑制する必要があることだ。国内の2010年1~11カ月間の新規融資額は7.4兆元であり、年間目標にあと一歩のところまで迫っている。
このため、先般開催された中央経済活動会議では、2011年の通貨政策を「適度な緩和」から「穏健」に転換し、物価水準の安定をより重要な位置に置くことが打ち出された。専門家は、穏健な通貨政策は流動性過剰とインフレ圧力を抑制するのに有効な措置であり、複雑な国内外経済情勢への対応を後押しするとの見方を示した。
国務院発展研究センター金融研究所の巴曙松(バー・シューソン)副所長は次のように述べた。「穏健な通貨政策への転換は前進の過程である。来年の通貨政策については、通貨の増量や利上げには慎重に対処し、資本流入の管理により流動性を吸収し、インフレ観測を管理していく」