貿易摩擦、激化の可能性 貿易は引き続きウィン・ウィンの関係を重視
世界経済回復への道は平坦ではない。ポスト金融危機の時代、世界貿易は緊張の局面を迎えている。各国の刺激策の効果が薄れ、個人消費と投資がうまく経済成長を後押しできない中、世界では、国内市場を保護しつつ国際市場を狙おうという傾向が強まっている。
中国は製造業大国であり、同時に貿易摩擦の最大の被害国でもある。データによると、今年、世界で新たに実施された貿易保護政策の内、中国の商品を対象としたものが67%を占め、ソウルで開かれたG20サミットにおいても、アメリカが中国に対して、貿易黒字縮小の意見を提出している。
商務部は、2011年の中国がより複雑な貿易摩擦に直面するとの見方を示した。国内の新需要と国際貿易の新たな動向がそれぞれ中国の貿易構造調整に対し、マイナスの影響を及ぼすことは、様々な兆候に表れている。
これをうけ、経済活動会議では、2011年は輸出入の均衡と安定、外需の開拓、輸入構造の最適化、輸入規模の拡大に注力し、輸入がマクロ経済の均衡と経済構造に対して、重要な役割を発揮できるようにするよう提起された。
中国研究発展基金会の湯敏(タン・ミン)副会長はインタビューで、これは対外貿易における戦略的思考の変化だとの見方を示し、「輸出と輸入のバランスを維持することで、輸出主導モデルからの転換を促進し、他国による中国を対象とした貿易政策の圧力を減らすことができる。そうすることで、中国と世界の『ウィン・ウィンの関係』の実現が可能となる」と述べた。