しかし、日本自動車メーカーによる核心技術の絶対的掌握は、今回、最も大きな非難の的となった。ギヤボックスなど肝要部品について、多くの日本メーカーは手放そうとはせず、研究開発センターと核心部品生産工場は日本から動かさそうとはしない。それらを世界各地の合資・独資企業に輸出し、利益と技術は国内で循環させている。この状態こそ、日本メーカーに独占的な利益をもたらしてきた。しかし、大きな自然災害を前に、彼らは得た利益と同じほどの苦しみを味わうことになった。
ここまで見ると、日本の自動車メーカーは、開放する気持ちはあるものの、開放程度については、それほど大きくないことが分かる。今回の大震災はひとつの試練となった。