資料写真:中国の展示会に参加するキヤノン
▽人口100万人以上の都市が300
まだまだ販売網の拡張の余地大きい
――上海、広州また北京ではキヤノンのカメラ製品の専売店、アフターサービスの店をよく目にします。
中国で100万人以上の人口を有する都市は、300を超えています。佳能は近年販売網を拡充してきましたが、それでも20の都市しかカバーしていません。さらに言えば、アメリカ、ヨーロッパ、日本では、それぞれ販売要員が1万人超えているものの、中国ではまだまだそこまでの人数になっていません。販売網を拡張していく余裕があります。
中国には13億人がおり、佳能の愛用者になってもらうには時間もかかり、努力していく余地もたくさんあります。
――ブランドとしては、日本、その他の外国では、「Canon」と表記されているものは、中国ではどうしても「Canon」と漢字の「佳能」をともに表記しますね。
私が中国に来てから、多くの中国人に接したら、やはり漢字の「佳能」が覚えやすいとよく聞きました。中国人に覚えやすい表記でいこうと思い、できるだけ両者をともに表記するようにしています。これでずいぶん中国人にキヤノンを認知してもらいました。
また佳能に親しんでもらうために、大学などでミスター・キヤノン、ミス・キヤノンなどのイベントもしました。そうすることで、若者に早い時からキヤノンに接してもらいました。
――しかし、佳能の財務データを見ると、カメラ、OA以外の分野の成長が高かった。
カメラを見てみると、いままで高級品はまず日本、アメリカ、ヨーロッパが大きな市場だったが、今は中国でも同時に発売するようになっています。しかも中国のほうが高級品がよく売れています。
放送機用のレンズ、セキュリティ・カメラなどは、カメラの後について市場が出てきました。また医療機械も昨年(2010年)から本格的に中国市場に進出しているので、新製品の投入などで高い成長率を維持しています。
――5月19日からキヤノンの総合力を展示するため、上海でキヤノン博覧会も開催しましたね。
キヤノン博覧会は、いままでニューヨーク、パリと東京で開催していたが、今度は初めて上海で行いました。できるだけ多くの中国消費者にキヤノンを親しんでいただきたいと思ったからです。
▽アジアでの売上は12年に100億ドル
15年に200億ドルを目標に