◆外国の専門家をもうならせる技術
外国の専門家をうならせるのは、上海鉄路局科研所機輌技術研究室の朱挺副主任が研究開発した、国産の非接触式架線(OCS)検査システムだ。
架線は電気化鉄道の基礎であり、鉄道の安全性に影響する。2000年頃、中国が採用していたのは「接触式検査法」で、「非接触式検査」技術はドイツ、日本、イタリアが専有し、機密とされていた。この空白を埋めるため、若干25歳の朱副主任は4台のCCDカメラを使って開発をスタート。長期にわたる努力の末、高速鉄道で使用可能な「非接触式架線検査システム」の開発に成功した。同システムは2011年3月に京滬高速鉄道で試験を成功させ、中国の長期に渡り輸入設備に異存していた局面を打破した。この「メイド・イン・チャイナ」の検査装置はドイツ製より精度が高く、数名の海外専門家は驚きの表情を隠せなかった。彼らの「お家芸」であった同技術は、知らぬ間に中国に追い抜かれたのだ。