中国移動の王建宙董事長はかつて「今年はTD-LTEの商用化元年となり、世界各地に26のTD-LTE試験網が構築される」と述べ、これまでに何度もTD-LTEの配備を加速したいと表明してきたが、これはTD-SCDMA(中国の3G規格)が微妙な立場に置かれていることについての言い訳を探しているだけのようにも見える。
中国通信業界の3G時代が幕を開け、中国移動はTD-SCDMAのライセンスを手に入れた。しかしTD技術は国際的な3G規格であるWCDMAやCDMA2000に比べて未熟なため、発展スピードにも影響が及んでいる。
しかし、ライセンス発給は遅れたものの中国の3Gは起点が高く、登場と同時に3.5Gを実現した。このため、多くの専門家が中国は3Gから4Gに円滑にアップグレードできるだろうとの見方を示している。この見方は政府関連部門にも受け入れられ、工業情報化部は昨年末、中国移動の「TD-LTE大規模試験網」建設プロジェクトを認可した。現在TD-LTEのテストに参与しているメーカーはすでにコアネットワークのテストを終え、今後はワイヤレスネットワークテストを行っていく予定で、12月末には全てのメーカーのテストが終了するという。