北京と上海を結ぶ高速鉄道の開通に全国のメディアが沸き、「安全、快適、環境にやさしい」、「品質は世界一流」と報じられた。空を飛ばなくても、北京から上海がたった4、5時間。「高速鉄道」という言葉はたちまち流行語になった。
世界的な金融危機の中、中国は高速鉄道を優先的な戦略的新興産業とし、財政投入、建設用地、技術革新、経営環境などに力を入れ、世界で高速鉄道の発展が最も速い国となった。そして西洋人に「中国は本当に世界をリードしている」と言わしめた。
しかし、開業以来、同高速鉄道で相次ぐ問題が起きている。
今月10日午後、北京発上海行きの列車19本に遅れが出、乗客は停電で蒸し風呂状態になった車内で不安に駆られた。山東省で発生した雷雨の影響によるものだった。その2日後の12日正午、宿州近くでまた電力装置の故障が起き、一部の列車に遅れが出た。高速鉄道への不安と不満が募る。
一方、切符の販売にも問題が出てきた。紙の切符がなく、購入が簡単で、身分証をこすれば列車に乗れて便利な反面、旅行計画に変更が出た旅客から苦情が出ているのだ。切符の購入は簡単だが、払い戻しに手間がかかる。数日前に払い戻しをしても、20%のキャンセル料がかかる。インターネットや自動販売機で切符を購入した乗客は始発駅に行き、身分証とキャッシュカードを提示しなければ払い戻しができない。