ネットユーザーが公開した京滬高速鉄道G151列車が済南区間で突然停電した時の様子
勢いに乗っている中国高速鉄道が7月10日、新たな試練を迎えた。開通からわずか11日の京滬高速鉄道は、雷雨により全線で運行が停止し、19本の列車に遅れが出た。中国の高速鉄道技術と鉄道部の対応を疑問視する声が再び上がっている。今回の「停電事故」は、本当に中国の高速鉄道技術にある欠点を浮き彫りにしたのだろうか。鉄道部の対応に何が足りなかったのか。これらについて、中日の高速鉄道技術の研究分野で活躍する日本の拓殖大学の王曙光教授に話を聞いた。
停電が却って中国高速鉄道の安全システムの信頼性を実証
王曙光教授は、「運行中の電車が雷雨に遭うことは、どの国でも避けることはできない。このような状況を『故障』、さらに『事故』と言ってはいけない。突発的な自然現象だ」と話す。
王教授は、技術が厳しい試練に耐えられるかを判断する重要な基準は、緊急時の対応だと考える。日本にしてもフランスにしても、高速鉄道がある世界の国で同様の問題が起きた場合、まず自動的に電源が切れるようになっている。雷の高圧電流は人の力ではどうにもできず、車内の人と車両の安全を確保するため、車両に電流が流れたらすぐに自動的に電源を切る必要がある。
今回、落雷を受けた後の中国高速鉄道の安全システムの対応は合理的かつ適切で、しかるべき役割を果たした。「却って中国高速鉄道の安全技術面は信頼できることが実証され、高く評価すべき」と王教授。
「人間本位」で技術とサービスの間の食い違いを埋める