運営距離で世界一となった中国の高速鉄道だが、スピードだけではまだ不十分なようだ。悪天候の際の緊急対策は十分か?突発的な状況に対応する技術や施設は安全か?停電や列車が遅れた際、乗客をいかにケアし、損失を負担するか?切符販売サービスをいかに利用しやすくするか?高速鉄道運営を制度化できるか?また多くの、高速鉄道に乗れない、乗らざるを得ない人たちの権利を尊重できるか?
短期間で列車のスピードは上がったものの、サービス意識、保障レベル、管理制度がそれについていってない。鉄道はいまだ統一部門に集中しており、それが事業効率の向上につながっているが、市場経済にふさわしいサービス意識に欠け、消費者はそれを受け入れるよりほかない。鉄道部門を前に、乗客の弱い立場は改善されないままだ。
歓喜にしても、不満にしても人々の高速鉄道に対する強い関心が、鉄道部門にとって最も貴重な社会的資源であり、鉄道改革・改善の大きな動力となる。高速鉄道への巨額投資は全国国民の心血の塊だ。安全、快適、便利な旅をいかに乗客に提供できるか、スピードから快適度への転換が今後求められる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月13日