IMFの見方は中国側の強い反論に直面することになった。中国政府は21日、中国駐IMF代理に権限を委譲して6ページに及ぶ声明を発表するという常にない措置を取り、IMFの報告に猛烈に反論した。同声明によると、中国が進める消費主導型経済へのモデル転換がなかなか進まないのは、世界金融危機が原因だ。世界的な危機と経済の低迷が新興市場経済の財政状況や支出構造にマイナス影響を与えている。外部の危機が中国の改革を大きく阻み、特に人民元レート改革を大きく阻んでいる。
華東師範大学国際金融研究所の黄沢民所長によると、人民元レートが低く見積もられているのは確かなことだが、計算方法が合理的かどうかについては確定した基準がない。人民元はまだ自由両替が実現していないため、その見積もりには一定の困難がつきまとい、IMFの判断には根拠がなく、発表された数値には実際的な意義が何もないといえる。
だがIMFは、人民元が大幅に切り上げられても米国や欧州諸国が大きな利益を受けることはないと強調する。IMFの計算によれば、人民元が20%上昇しても、米国の経済成長率は0.05ポイントから0.07ポイント上昇するにとどまり、欧州の経済成長率も0.12ポイント以下の成長率にとどまるという。