またIMFの報告によると、中国の中央銀行(中国人民銀行)の低金利維持政策には副作用があり、銀行の預金金利がインフレ率を大幅に下回り、人々が銀行預金をやめて不動産投資に回り、不動産バブルを激化させる可能性があるという。黄所長はこれについて、急速過ぎる金利引き上げは人民元の切り上げを促し、経済バブルを拡大させるとし、これは人民銀行が預金準備率をたびたび引き上げ、金利を引き上げない原因でもあると述べた。
ドイツの週刊誌「デア・シュピーゲル」によると、現在の世界では、米国、日本、欧州が山のような負債を抱え、破産寸前のところもある一方で、中国は豊富な資金があるためにかえって自力で苦境から抜け出すことができず、双方の間の矛盾が顕在化しているが、西側諸国の危機は中国のインフレ危機を激化させているという。
IMFは中国にただちに金融改革5カ年計画を推進すべきだと進言する。IMFで中国事務を主管するナイジェル・チョーク氏によると、金融改革プラン推進の前提条件は人民元のさらなる切り上げで、これによって外貨準備の増加ペースを鈍化させ、金融システムに流入する流動性を減少させ、中国経済を安定的に前進させることが可能になるという。
黄所長はこうした見方について、中国の金融改革は焦眉の急であり、金融開放と資本項目の自由化、金利の市場化、人民元レートの柔軟化の各方面から着手する必要がある、と述べる。
「人民網日本語版」2011年7月22日