▽切り上げでインフレ解消?
IMFの見方:人民元切り上げでインフレは解消できる。
中国の見方:欧米の債務危機がインフレの根源
IMFの提起によると、中国政府は人民元切り上げ措置を採用してインフレや不動産バブルなどのリスクを解消するべきであり、これは人民元切り上げによって石油価格や食品価格、その他の輸入製品の価格を引き下げることが可能だからだという。IMFは報告の中で、現行のレートメカニズムに依拠すれば、世界的な経済のアンバランスに対応する上で表面を温める作用しか発揮できないこと、人民元が低く見積もられれば、中国内部の経済が再びバランスを取ろうとする過程にとって障害になることを指摘する。
こうした見方について、復旦大学経済学院の孫立堅副院長は例を挙げて異なる見方を示す。米国は07年、ベトナムにドンを切り上げて石油価格の上昇に対処するよう促したが、最終的にはドンの上昇ペースが原油価格の上昇ペースに追いつけず、うまくいくどころか、ベトナム自身が金融危機に陥ってしまった。
中国のインフレは輸入型のインフレに属し、IMFのやり方ではまったく役に立たない。欧米に債務危機が存在する限り、ホットマネーが中国に押し寄せ、通貨供給量が膨張を続け、消費価格が上昇を続けることになる。孫副院長は「IMFは欧米の低金利政策にもっと注意を払うべきであり、米国に金融緩和政策を早急に終了するよう促すべきだ」と話す。
ある分析によると、人民元切り上げはインフレに対処する一つの手段であるとも考えられる。だが輸出を抑制するという代償を払わなくてはならず、切り上げペースが速すぎれば中国経済の発展モデルに課題をつきつけることになる。