(3)中小企業の「倒産ラッシュ」
今年上半期のメディアでは、広東省や浙江省などでの中小企業の倒産ラッシュの報道が引きも切らなかった。中華全国工商業聯合会が行った調査によると、一部の地域では中小企業経営の難易度が2008年の国際金融危機の頃よりも上がっているという。
工業情報化部や中国銀行業監督管理委員会(銀監会)などの部門が行った調査によると、各地方には中小企業の倒産ラッシュ現象はまだみられないという。浙江省、広東省などの政府筋も、現地企業の倒産件数は合理的な範囲に収まり、新規登録企業数も急増していて、現実は倒産ラッシュ説を否定するとの見方を示す。浙江省工商行政管理局が発表した「全省民間企業景気指数第2四半期報告」によると、6月25日までの同省の民間企業新規設立数は6万3800社で前年同期比10.67%増加し、新設企業の登録資本金は1490億元で同46%増加した。だが両省の政府筋はともに、人民元の上昇、原材料価格や労働力コストの上昇、資金調達難の拡大などに伴い、中小企業の経営が困難であることはもはや秘密ではなくなっていると指摘する。