△時間無視から停止不可能に
日本紙「産経新聞」はこのほど、ある日本人学者が自分の出会ったせっかちな中国人について書いた次のような文章を掲載した。広州(広東省)の空港で、大雨で便が遅延したり、キャンセルになったりしたところ、空港で足止めを食らった中国人乗客の一部が暴れて、出発ロビーの電話やコンピューターなどの設備を破壊したり、空港で働く人たちを殴打したりした。天候が原因で乗客が空港で足止めを食うことは、世界のどこの国でも起こりうることだが、速い生活リズムで暮らす中国人は、その一部が自制力を失って暴徒化した。
せっかちや忍耐力のなさが中国人の社会的な心理状態になったのはなぜか。米国紙「僑報」の7月26日付記事は次のように述べる。これは資源不足によって争奪戦が起き、分配のアンバランスが偏りを生じ、速いペースが人々の心の中のイライラをかき立てたためだ。今の時代の気分は、速い分にはいくら速くても構わないが絶対に遅くなってはならない、というものだ。だが実際、中国人は世界で最も忍耐力のある人々でもある。家を買うためなら、3日前から家族交代で並ぶことを厭わない。キャンペーンの割引商品を買うためには、午前をまるまるつぶしても構わない。人が多いレストランほど人気を呼び、入口付近のプラスチック椅子に座って2時間も瓜の種を食べながら入店待ちをすることもいやがらない。風邪を引けば専門の医師にかかりたがり、長時間列に並び続ける。中国人の「せっかち病」は、社会から放逐されないことを確保するためのものだという。
中国人の速いスピードの生活スタイルについて、英国放送協会(BBC)は諧謔を交えて次のように述べる。人にごちそうするに、中国人は「ごゆっくりお召しあがりください」と言い、食事が終わって客人を送り出す時には「ごゆっくりお帰りください」と言う。こうした表現は今や、単なる形式的なあいさつになってしまっている。
中日両国間を頻繁に往来する日本のある貿易会社の社長によると、1980年代、北京で一連のビジネス上の手続きを終えるには最短でも3カ月かかった。現在では中国人のペースが世界の歩みに追いつき、代理手続き会社の中には数日ですべての手続きを終えるところも出てきた。このような速いリズムの生活は、快速便会社やファーストフード店といった多くの産業を誕生させ、北京で暮らす人々は非常に便利になったと感じるようになった。また日本の大阪大学の経済学専門の教授によると、中国は発展ペースを落として社会問題を解決すべき、とする主張には誤りや偏りがある。なぜならこうした問題はペースを緩めれば解決するような問題ではなく、また個別の産業の問題を取り上げて社会全体の発展ペースを語るのは不適切だからだ。結局、中国の各方面の建設状況や国民生活の水準が先進国との間でなお大きな開きがある時に、中国社会が急速な成長ペースを維持することは高く評価されるべきだという。