スイス・ダボスで開催される年次総会で知られる世界経済フォーラム(WEF)による「2011年ニュー・チャンピオン年次総会(通称:サマーダボス)」が先だって大連で開催された。欧州諸国の債務危機の突然の深刻化により、ドル建て外貨準備高3兆1,900億ドルを抱える中国政府が、この度の危機をどう乗り切るかが世界から注目を浴びている。温家宝国務院総理は開幕式での演説において、「中国は難局に直面している欧州諸国に支援の手を差しのべることに異存はない」と表明している。
先だって、イタリア政府が中国に支援を求めたことが海外メディアにより伝えられている。その内容によると、国債購入および投資による中国のイタリア債務危機克服への支援を求めたもので、温総理の今回の演説の内容にはそれに対する回答の意味が含まれているのは明らかである。
世界的な経済協力体制を強化していくことは、経済危機の泥沼から抜け出すための第一歩となっている。この前提において、世界経済の中で中国はどのような役割を果たすべきなのであろうか?