◆経済収益について
宇宙事業に1元を投じれば、7-12元の利益が得られる。これは欧米の研究機関が、異なる模型と手段により実施した評価結果だ。60年台、米国のアポロ月面着陸計画は、3000件を超える特許を獲得し、米国のハイテク産業発展を力強く後押しした。宇宙船の研究開発により生み出された一般製品が3万種を超え、人工知能やリモートセンシング作業等の技術の転換が、工業・農業全体の繁栄を促した。
中国宇宙事業の発展もまた、大きな経済利益を創出した。
1984年、中国初の試験通信衛星が、打ち上げに成功した。通信衛星は今日、テレビ、ラジオ、長距離電話、テレビ教育、金融、電力等の部門に幅広く活用されており、中国人のほぼ全員が通信衛星による恩恵を受けている。1987年より、中国が発射した衛星に載せた800種以上の植物の種子を宇宙空間で栽培し、生産性が高く品質も良い農作物が各家庭の食卓に普及している。新薬から新材料にいたるまで、中国の1100種以上の新型材料のうち80%が、宇宙技術の牽引を受け開発・完成されている。宇宙技術の2000件を超える成果が、通信・紡績・石油・交通運輸・医療等の業界に活用されており、人々の生活を変えている。
また天気予報、防災、GPSを忘れてはならない。科学者は、「原子爆弾・ミサイル・衛星等の重大科学プロジェクトがなければ、今日のキャリアロケット商業化打ち上げサービス、原子力発電所、宇宙リモートセンシング等の産業が発展することはなかった。また中国のコンピュータと応用、ミクロ電子、繊維強化プラスチック、特殊冶金といった業界の発展もありえなかっただろう」としている。
有人宇宙飛行計画の実施は、各分野の科学研究を推進し、関連産業の発展を促す。
ドッキングの成功は、直ちに現在の経済に利益を与えるとは限らない。しかし専門家は、「古代人はアフリカから高緯度の地区に移住し、コロンブスは新大陸を発見した。人類は陸から海、さらには宇宙へと進出した。人類が生存環境を拡張するたびに、暮らしに変化がもたらされ、生活の質が向上し経済が飛躍的に発展する」と指摘した。
「人民網日本語版」2011年11月3日