中国が預金準備率引き下げに踏み切った理由

中国が預金準備率引き下げに踏み切った理由。

タグ: 中国預金準備率引き下げ

発信時間: 2011-12-01 15:55:10 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国人民銀行(中央銀行)は先月30日の晩に、12月5日から預金業務を取り扱う各種金融機関の人民元建て預金の預金準備率を0.5ポイント引き下げると発表した。この重大なニュースは多くの人にいささか驚きをもって迎えられた。

人民銀が預金準備率を引き下げるのは約3年ぶりのこと。2010年1月18日から2011年6月20日までの間に、人民銀は12回にわたり連続して引き上げ調整を行い、準備率を計600ベーシスポイント引き上げ、過剰な流動性を回収し、物価の急激な上昇を抑制した。今回の引き下げ調整後の預金準備率は、大型金融機関が21%、中・小型金融機関が17.5%となる。

▽直接の原因:銀行システムの流動性不足を緩和するため

国務院発展研究センター金融研究所の巴曙松副所長(中国銀行業協会チーフエコノミスト)は、「今回、預金準備率を引き下げ調整した直接の原因は、銀行システムにおける流動性不足の局面を緩和するためであり、通貨政策の的確性、柔軟性、先見性を十分に体現するものといえる」と話す。

中国交通銀行の連平チーフエコノミストによると、現在の銀行業は資金不足に陥っており、預金に対する貸出金の比率(預貸率)が75%の上限を超える銀行がますます多くなってきた。人民銀は金融機関に対し、産業政策に合致したミクロ企業や「三農」(農民、農村、農業)といった弱い部分への貸出金の投入を強化し、進行中や継続進行中の国の重点プロジェクトにおける資金需要を満たし、住宅をめぐる社会保障政策としての安居プロジェクトの建設を支援するよう求めている。だが商業銀行が要求に応えようと思っても、資金不足のために相応の資金を貸し出す力がない。「今回の預金準備率の引き下げ調整により4千億元の資金が出回ることになり、銀行の資金貸出能力の強化にプラスになる。来年1月には貸出資金の額が増え、1兆元を超える可能性があることを踏まえると、現在の預金準備率引き下げ調整には通貨政策の先見性が体現されているといえる」という。

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