▽政策の方向性:安定的な通貨政策を土台に段階的・構造的な緩和
巴副所長は、預金準備率引き下げから通貨政策を適時かつ適切に事前調整したり微調整したりするとの方針がうかがえるが、通貨政策の基調が変わるというわけではないと指摘した上で、「世界では極度に緩和された通貨環境が今後も続く見通しであり、過去2年間には国内需要が急速に拡大して、通貨ストックが増大するという環境の中にあって、今後の物価情勢にはなお不確定性があり、物価安定の土台は決して堅固ではない。来年はCPI上昇幅が3.5%から4%の間にある時期が多いと予想され、これは決して低くない上昇幅であり、引き続き安定的な通貨政策を堅持することが必要だ。だが預金準備率の引き下げから、今年の第4四半期(10-12月)と来年の第1四半期(1-3月)という中国経済成長率が鈍化して底を打つと予想される時期に、安定的な通貨政策の枠組内で、一連の段階的で構造的な緩和措置を打ち出そうとする中央銀行の姿勢がうかがえる」と話す。