▽発信されるシグナル:緩やかな成長がより重要な位置づけに
現在、一連の政策・措置の総合的な作用を受けて、物価が急激に上昇する趨勢はひとまず抑制され、政策の効果が徐々に現れている。巴副所長は「CPI(消費者物価指数)の上昇幅は3カ月連続で縮小し、11月は4.5%を下回った可能性があると予測する」と話す。
これと同時に、中国の経済成長には依然として強い内在的なエネルギーがあるが、直面する外部環境は非常に複雑であり、特に欧州債務危機がますます深刻化して、中国の経済成長へのマイナス影響がますます顕在化する可能性があることには警戒が必要だ。巴副所長は「近く発表されるPMI(製造業購買担当者景気指数)は好況と不況の境目である50を下回る可能性があり、そうなればPMIは23カ月ぶりに50を下回ることになる」と話す。
巴副所長の判断によると、こうした情勢の下で預金準備率を引き下げたのは一種のシグナルだ。経済の安定的で急速な発展の維持、経済の構造調整、インフレ観測の管理という3者の関係をより適切に処理し、中でも安定的成長を最も重要な位置に据えるとのシグナルだという。