広東省に出稼ぎに来て4、5年が経った蔡さん(24才)は、今年の春節の帰省後にまた広東に戻ってくるか、それとも故郷の河南省で暮らすか迷っている。「給料が3000元まで上がれば広州に残る。やはりここの方が自由だから」と話す蔡さんは、募集広告を一つ一つ見ながら記者に胸の内を明かした。
給料は1000元以下から2000元に上がったが、蔡さんは金の価値が下がっていると感じている。故郷で働く同郷の人の稼ぎは同じだが、使う額は彼より少ないのである。
東莞の沙田鎮で自営業を営む黎さん(45才)は、3000元という給料の期待額に顔をゆがめる。広々とした工場の中で、賃上げ負担に直面する黎社長は、「賃上げすれば、わずかしかない利益はほとんど残らない。賃上げしなければ、春節に帰省した従業員が年明け後に戻ってくるかわからない」と苦しい心情を吐露した。