この矛盾しているが互いに依存する状態は、経済情勢が不安定になる中で、珠江デルタの大多数の中小企業にとって振り切れない影となっている。帰省を望む出稼ぎ労働者、雇用難の企業。その焦点となるのは給料である。
賃上げ構想は一部の政府官僚の賛同を得ている。「多くの労働者は故郷で2000元を稼ぐことができる。深センの給料が数百元多くなければ、競争力がないのは当然」と、深セン市人力資源・社会保障局の王敏局長は話す。一方、企業にとって賃上げは悩みとなっているようだ。
黎社長は記者に対し、「工場の利益は年間10~20万元程度。最低賃金を200元引き上げ、残業代と社会保障費も増やせば、少なくとも1人あたり年間3万元、100人で30万元以上支出が増え、企業はすぐに赤字になってしまう」と不平をこぼした。