2011年、経済のバロメータと呼ばれる4大市場の取り組み(不動産市場の抑制策、株式市場の低値圏推移による圧力、為替市場の大幅な変動、債券市場の改革による効果)が注目され、政策面の難題が顕在化した。「人民日報」海外版が報じた。
中国国内経済の構造調整が重要段階に入り、世界情勢が不安定な今、4大市場がいかに発展するかは国民の注目するところとなり、政府のマクロ調整能力を試す試練ともなっている。
(1)不動産市場:抑制策を継続、合理化にはまだ時間が必要
中央経済活動会議は、「不動産抑制策を継続実施し、不動産価格の合理化を促し、一般的な商品住宅の建設を加速化し、効果的な供給を拡大する」と強調し、不動産価格の低下に期待が寄せられている。
不動産市場抑制策は今年以来、国によるインフレ防止を中心とするマクロ経済引き締め政策を受けた。年初の「新国八条」(住宅購入制限政策)、購入制限、融資制限、価格制限等の措置の下、不動産市場の続騰にようやく歯止めが掛けられた。
10月は不動産市場の転換点とされ、全国70都市の平均不動産価格が前月比で、数年ぶりにマイナス成長となった。11月、不動産市場のバロメータと呼ばれる全国不動産開発景気指数が、前月比0.4ポイント減、昨年同期比3.33ポイント減となり、27ヶ月ぶりの低水準となった。
人民銀行が発表した報告書は、「不動産開発投資の増加率が鈍化し、デベロッパーの資金が欠乏している。土地取引市場の取引件数・価格が共に低下し、不動産融資が大幅に減少し、不動産価格の転換点が見えてきた」と指摘した。
中国指数研究院の陳晟副院長は、今回の不動産抑制策により、「上がるばかりの不動産価格、儲かるばかりの投資、調整するほど上がる不動産価格に、終止符が打たれた」と指摘した。
多くの都市で「取引件数の減少」と、「不動産価格の大幅な下落に伴う購入の殺到」が同時に生じていることから、市場には傍観ムードが依然として広まっているが現在のところ確固たる市場予想が形成されておらず、一部の地区で不動産抑制策に緩和化が見られていることがわかる。これは不動産価格の調整が非常に困難であり、不動産価格の合理化にまだ時間がかかることを示している。
保障性住宅(低所得者向けの住宅)は現在不動産市場で重要視されており、来年の不動産市場でも重要な役割を担う。しかし保障性住宅の質、割当、関連設備、引き払いをいかに規範化するかは、来年の保障性住宅建設に向け、厳しい要求を提出することになるだろう。