(4)債券市場:地方債に注目、債券市場の安定化に期待
上海が11月16日、全国に先駆けて総額71億元(約855億円)の地方債を発行すると、広東省が69億元(約830億円)、浙江省が67億元(約805億円)、深センが22億元(約265億円)の地方債を相次いで発行した。金利はいずれも、同期間の国債の水準を下回った。
中国財政部財政科学研究所の賈康所長を含めた一部の専門家は、「4地方の地方債の自主発行は、積極財政政策の一環であり、地方融資の改善に向けた新たな取り組みであり、地方政府債務の中長期制度枠組み建設を推進する」と指摘した。
中国審計署のデータによると、2010年末、全国地方政府の債務残高は10兆7000億元(約130兆円)に達した。しかし一部の地方は「土地財政」によるいびつな発展を推進し、4割弱が土地譲渡収入を債務返済の原資としている。これはつまり、地価が大下落した場合、地方の債務返済能力のリスクが高まることを意味する。
国債を見ると、7月以降に流動性が引き締めに向かい、国債市場にも影響が生じ始めた。2010年、国債収益率が金融危機後の最高値を更新したが、第4四半期に人民銀行が3年ぶりに預金準備率を引き下げると、国内債券市場が急変し、収益率が急激に低下した。
賈所長は、「調整準備と微調整が、マクロ調整の主要な特徴となるに従い、中国経済に対する財政の影響は今後1年間でより顕在化するだろう。中国経済は次年度に安定的成長を目指し、債券市場の安定化も期待できる」と指摘した。
「人民網日本語版」2011年12月20日