2011年が幕を閉じた。国際金融危機が再び勃発し、国内経済の運営が複雑化する中でも、中国経済は総体的に良好な成長を続けている。
2012年が幕を開けた。中国経済はどのような課題に直面し、どのような対応を取るべきか?また、中国経済はどのような成長軌道をたどるのだろうか?
内外情勢が複雑化するも、経済ファンダメンタルズは変わらず
「2012年の経済情勢は複雑で厳しいものとなる」。中国国務院発展研究センターの李偉主任は、欧米の債務危機の打撃を受け、世界経済のリスクが高まることや、中国の輸出が大幅に減少し、内需が外需を補うことが難しくなることなどを懸念した。
国連はこのほど発表したレポートで、「2012年、先進国の経済は泥沼化し、新興国もその影響から逃れられない。世界経済は新たな大幅な景気低迷に陥る瀬戸際にある」とし、2012年の世界経済の実質成長率を従来予想(6月時点)の3.6%から2.6%へと下方修正した。
ある専門家は、「コストが引き続き上昇し、企業の経営が困難になれば、今後の投資の成長が抑制される。また、自動車や住宅の消費が低成長となり、新たな消費トレンドもすぐには見つからない」と分析。また、コストプッシュ型インフレが長期化するほか、世界の過剰流動性の影響によって高めのインフレ圧力が継続されるとの見方を示した。そのほか、進行中のプロジェクト資金がひっ迫するため、実態経済の発展には一層の支援政策が必要となるとした。
しかし、複雑で厳しい内外の経済状況の下でも、中国経済のファンダメンタルズは変わらないとする見方もある。「世界と国内の状況を総合的に分析すると、中国の経済成長はなおチャンスの時期にある。経済のファンダメンタルズは依然良好で、さらに成長するのに有利な条件を多く有している」と国家発展改革委員会の張平主任は述べた。