しかし、今では毎年何十万という人が海外旅行に出かけていくご時世であり、親戚の中には高校生の子供を国外に留学させているケースもある時代になった。北京の若い女性の間ではルイビトンやエルメスのバッグをいくつも持っている人がいるくらいなので、もう私の「デザイン」論議も、常識のようなものになっている。
そういう時代に、昨年の秋北京で「国際デザイン・トリエンナーレ」が開催され、世界各国からデザイン界の知名人が多数北京に集い、マスコミにも大々的にそれを報道した。それに合わせて、イタリアやフランスに留学してデザインの勉強をしている人たちのことも紹介された。
知人でクルマを何回も買い換えた人がいるが、一回ごとに、インダストリアル・デザインがますますよくなったクルマを買っていることから見ても、やはり一般の人たちのセンスがだいぶよくなったことが見てとれるようになったと言えるのかも知れない。
最近は中国の企業が次々と外国へ行って企業を設立し、外国の消費者に製品を買ってもらう時期になっている。