<中国証券報>中国商務部の沈丹陽報道官は17日の定例記者会見で、「2012年の中国の海外直接投資(FDI)は『前低後高』になる見通し。第2四半期の外資導入状況が好転し、通年の貿易成長目標は実現可能のはずである」と述べた。17日付中国証券報が伝えた。
◆通年FDI「前低後高」になる見通し
商務部のデータによると、3月の中国の実行ベース外資導入額は117億5700万米ドルで、前年同期比6.1%の減少となった。これで、中国の単月ベース外資導入額の前年同期比減少は2011年11月以来、5カ月連続となった。第1四半期の実行ベース外資導入額は294億8000万米ドルで、同2.8%減だった。
沈丹陽報道官は、外資導入額の減少を招いた主な要因は三つあるとしている。一つは世界経済の低迷の影響を受け、クロスボーダー直接投資が鈍化したこと。二つ目に中国政府による不動産市場抑制策が影響している。ここ2年あまりの不動産分野における実行ベース外資導入額が中国全体の1/4を占める規模だったが、不動産市場抑制策の影響により同分野の外資導入額の増加率は現在下降傾向にある。2011年第1四半期、不動産業の実行ベース外資導入額の増加率は38.6%だったのに対し、2012年第1四半期はマイナス6.3%となった。三つ目の要因は2011年第1四半期の基数が比較的高かったことである。2011年の外資導入は「前高後低」の傾向だったが、2012年には逆になる可能性がある。
沈報道官によると、次の段階で、商務部は政府の要求に従い、サービス業の海外への開放を更に拡大し、戦略的新興産業・近代農業・近代サービス業・省エネと環境保護産業への外国企業の投資を奨励する。『中西部地区外国企業投資優勢産業目録』の改正を急ぎ、外国企業の中部・西部地域への投資を強化するよう導く。また、法律・法規についても更に整備を進め、外資の導入方式のイノベーションを進め、外資管理水準の向上を図る。外資の審査・批准関連の改革を深化し、投資の利便性を高め、開発区と辺境経済協力地区のモデルチェンジ・グレードアップを速め、辺境地域の開放を推進する。