▽流動性の氾濫 中国のせいではない
人民銀の総資産は米国を超え、中国の広義マネーサプライ(M2)が世界全体に占める割合は大きい。こうしたことからスタンダードチャータード銀行は、中国が今日では米国に代わって世界の流動性の最も主要な提供者になったとの判断を下す。これについて、ある専門家が反対の見方を示す。
上海外国語大学国際金融貿易学院の章玉貴院長によると、人民銀の総資産はFRBを抜き、中国のM2規模が米国を超えたという事実は、既存の国際金融システムにおける米ドル本位制を前提として、中国が経済における通貨の役割を増大させるための次善の制度の構築を加速させられていることにほかならない。このため、こうした事実は人民銀がFRBに代わって世界の中央銀行になったことを示すものではなく、中国が世界の流動性の主な提供者になったことを証明するものでもないという。
またある専門家によると、人民元は世界を自由に流動することはできないし、他国の準備通貨になることもできない。このため中国の新たに増加したM2は、世界規模で流動性を生み出す力をもたないという。