中国宇宙プロジェクトコンサルティングセンター宇宙システム論証研究部の周暁紀副主任によると、宇宙科学技術は社会経済や科学技術が進歩するためのエンジンであり、生産力の発展を絶えず促進するものだ。宇宙科学技術は経済発展モデルを変化させ、新たな成長点や国の科学技術イノベーションを追求する上で、極めて重要な意義をもつという。
またある専門家によると、宇宙経済は今後10年、20年にわたって中国経済のもう一つの有力な推進装置となる見込みだ。
宇宙科学技術は関連産業に対して明確な促進作用と牽引作用をもっている。王院長によると、中国がここ数年間に開発利用した新材料約1100種類のうち、80%は宇宙技術に牽引される形で完成したものだ。現在、中国には国民経済の各部門に「移植」された宇宙技術成果が2千件以上ある。民間の宇宙事業生産額が宇宙事業生産額全体に占める割合は半分に上り、投入産出比率は1対10に達するという。
こうした経済発展の増幅器といえる宇宙技術は、今や巨大なエネルギーを放射しつつある。おおざっぱな見積もりによると、中国の宇宙産業から派生した産業チェーンはすでに1200億元の規模に達している。衛星分野だけをみても、衛星放送による通信教育という「空の学校」で中国の数千万人が学び、直接節約した資源は数百億元の規模に達する。鉱物生産、地質、鉄道、橋梁といった部門では衛星資源を利用して探査を行っており、節約した資源と獲得した利益は相当なものになる。