典型的な日本人の生活はこんな感じで始まる。朝8時、シャープ製の携帯電話を取り出す。携帯割引券を使ってマクドナルドの朝食を買う。会計も携帯で済ます。その後、携帯の地図でこれから行く路線を確認し、地下鉄の改札では携帯をかざして通過する。出社までの数十分間、携帯を取り出し、その中の豊富なサービスを楽しむ。まずGREEの提供するソーシャルゲームをし、eBook Japanにある最新漫画を読み、Mixiのソーシャルメディアサイトで友達が何をしているのかをチェックする……。
日本人は外出時、携帯を持っていれば、基本的に全てのことが処理できる。これほど発達した携帯電話によるインターネット環境は、5年前に構築されたものだ。
「これまで、多数のアメリカの技術系専門家が日本視察に訪れてきた。彼らはNTT DoCoMoやニンテンドーの無線設備が提供する機能(および速度)に驚き、思わず自分の持っている古臭い携帯をポケットに仕舞い込んだものだ。」これはモルガンスタンレーによる、携帯インターネットサービスに関する報告書の冒頭である。21世紀初頭から長い間、NTT DoCoMoを代表とする日本企業は、携帯インターネットサービスに従事する全世界の人々の聖地だった。当時のシリコンバレーは、日本に比べたら僻地でしかなかった。
2007年にアップル社が売り出したiPhoneがブレークしてから、アメリカが日本に取って代わった。人々はアップル、Googleを新たな聖地と捉えるようになった。それは日本でも同様だった。それでも日本の人々は今、世界で最も良好な携帯電話サービスを享受している。
日本の携帯インターネットサービスの始まり