包囲された「メイド・イン・チャイナ」
「ロボットで人間を打ち負かす」は、アメリカ“再工業化”戦略のひとつである。ある中国人研究者も博鰲アジアフォーラムで「中国製造業の成長モデルを変えようとしている現在、これは脅威だ」と述べている。“再工業化”で再び貿易振興を図りたい欧米諸国は、さらに炭素税や労働基準、企業の社会的責任といった規則を設け、グローバル競争における主導権を握ろうとしている。
「メイド・イン・チャイナ」もロボットで武装
中国最大の電子機器受託生産(EMS)企業であるフォックスコンは、3年以内に100万台の工業ロボットを採用するとしている。主目的はコスト削減である。同社は山西の晋城にロボット工業パークを建設しようとさえしている。いっその事、自分たちで工業ロボットを作ったほうがいいと考えているのだ。
ある分析によると、フォックスコンが現在使用しているのは「B級ロボット」である。それはアーム型ロボットを指す。コストは1台あたり10万元あまり。24時間休まずに稼働させることができる。これは普通の労働者の約3倍で、フォックスコンの工場で働く従業員の平均年収が3万~4万元だとすれば、この機械のコストは3人の従業員の1年分に相当する。つまり1年で元が取れ、あとは利益を生み続けることができるわけだ。