その後、ロボットの採用が急速に広がっていった。中国機械工業連合会による大まかな数字によると、2010年に中国が輸入したロボットは2.34万台で、前年比130%の増加だった。2011年は3.8万台に達し、前年比62%増だった。
国際金型供給商協会は、第12次5カ年計画(2011-2015年)の期間が中国の工業ロボット産業の発展の転換点となると予測する。市場の需要は非常に旺盛になっており、毎年15~20%の高度成長となっているからだ。
中国製造業の分野において工業ロボットの保有量はわずか数万台であり、欧米や日本に比べると少ない。しかしABBグループのロボット部門で中国地域を担当する顧純元博士は、「中国の潜在力は非常に高い」と述べる。「数年もたたないうちに、中国は世界で最もロボットの設置数が増えるというのが、我々業界の共通認識だ。」
ハイレベルな製造を中国市場から
もしロボットが人に取って代わるならば、人は何をすればいいのか。実際にこの3年、アメリカの「再工業化」戦略が就業率を改善させるかどうかは不明瞭だった。この2年、企業の利益がV字回復している。しかし失業率は、2009年に比べれば1%下がったとはいえ、依然として9%と高止まりしているからだ。