▽中日の駆け引き、エネルギー・資源分野が重点に
中日間の駆け引きの重点となるのは何といってもロシアのエネルギー・資源分野だ。
中国の原油対外依存度はすでに50%を越えており、国内の産業・消費・社会の将来的な発展を考えると、依存度がさらに高まることは必至だ。
一方、日本のエネルギー対外依存度は中国よりも高い。
東日本大震災の後、日本の電力の3分の1を担っていた原発がほぼ全て稼動停止となった。この深刻な電力不足は、従来エネルギーで長期的にまかなっていくしかない。日本国内では、国民の「脱原発」の意志が揺るぎないものとなっており、これによりエネルギー不足の問題が一層深刻化している。中東からの原油供給は、中東の政局および海上輸送航路の安全問題によって影響を受けることから、長期的かつ安定的なロシアからのエネルギー供給を確保することは日本にとって何よりも重要だ。