国内に関して言えば、金融政策が物価の制約を受ける度合いは大きくない。8月の消費者物価指数(CPI)は安定して上昇に転じたものの、需要が低迷している中、企業が在庫を消化するためには、値下げして需要を促進する他ない。そのため、生産者物価指数(PPI)のマイナス成長の展開は今後も続くと見られ、CPIの非食品価格の上昇を抑えている。第4四半期、CPIの前年同期比上昇率は3%を超えることが難しく、金融政策を実施する可能性は依然高い。
また、財政政策にもまだ余地がある。財政資金は最後の4カ月間(9―12月)で季節的な放出を行う。過去3年間の8月末の財政予算の差引残高は平均1兆900億元前後で、通年の財政赤字は平均6360億元、最後の4カ月間で財政から実体経済に放出される資金は、平均1兆7300億元に上る。2012年8月末、財政予算の差引残高は1兆元近くあり、2012年の財政予算に計上する赤字額の目標は8000億元であるため、1000億元あまりの中央政府予算の安定調節基金を加えると、2012年の9―12月、財政から放出される資金は、まだ2兆元近くあることを意味し、これは例年を上回る金額である。