「十二・五(第12次5カ年計画、2011-2015年)」で示された七大戦略的産業は省エネ・環境保護、次世代情報技術、バイオ技術、ハイエンド設備製造、新エネルギー、新材料、新エネルギー自動車である。フォックスコンの中国における生産の末端製品に対する付加価値は極めてわずかなものである。それと同時に、中国の製造業は今正に「体力勝負から頭を使うこと」へと転換しつつあり、労働集約型の産業は他のアジア諸国、アフリカ、ラテンアメリカなどのよりコストが低い地域へと移っている。
しかし、その一方で「フィナンシャル・タイムズ」は、中国が世界の工場としての地位を維持する理由として、以下の5つを挙げている。歴史ある技術とスキル、経済規模、唯一無二のインフラ施設、世界における供給チェーンの確保、世界最大規模の潜在市場。その上、真に世界で活躍するグローバル企業は今では、どこで製造するかをとりわけ区別しない傾向にある。アップル社もそのように考えるべきである。
フォックスコンの産業には既に環境保護、健康、安全面の問題が持ち上がっている。一方、中国は汚染の処理・対策に努めてきており、太陽エネルギー、風力・水力発電大国へと成長を遂げている。しかし、北京の近日のスモッグと他の地域で環境破壊が続いている状況を見ると、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を抑え、自然と人間が共存する、中国の「低炭素社会」への道はまだまだ長く険しいものであるようだ。その過程において、フォックスコンを通して、急速な変化を遂げる中国を読み解くのは、やはりベストな方法であると言えよう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年2月17日