緊急金融政策の一つとして、日銀は過去半年に渡り、円相場を大幅に引き下げた。次に、日本の株式市場は過去5-6ヵ月間で47%の全面高となり、日経平均株価は昨年10月の8500円から3月中旬の約1万2500円に上昇した。
円安が世界的な為替操作戦争を引き起こすかに関して、円安が中国の輸出に与える直接的な影響は、小規模な範囲に留まると見られる。中国の対日輸出は輸出総額の約7.5%しか占めず、その重要性は米国およびユーロ圏(それぞれ約17%)を大きく下回る。また日本と中国は異なる商品を輸出しており、第三国市場における直接的な競争は少ない。そのため円相場が過去5-6ヵ月で20%超低下したが、中国の輸出に与える影響はごくわずかだ。
円安が為替操作戦争を引き起こすかについては、今後の円安進行の幅とペースに左右される。現状を見る限り、さらなる急激な円安、為替操作戦争のエスカレートの可能性は低いと判断できる。