中日韓FTAの前途は大きく開けているが、取材に応じた専門家は一様に、敏感な産業の存在や政治的な環境などさまざまな障害があり、中日韓FTAの成立は長く困難な道のりになると口をそろえる。現在、中国と日本の外交関係、日本と韓国の外交関係は全体として非常に緊張した状態にあり、第2回会合はお互いの「腹のさぐり合い」の場になり、実質的な議論にはたどり着かないとみられる。
中国商務部(商務省)国際経貿関係司の孫元江副司長によると、経済面では3カ国の経済レベルには大きな相違があり、産業の分業はバランスが取れていない。経済発展レベルの相違により市場の容量、市場の構造、消費の構造に相違が生じ、製品の参入基準をめぐって異なる要求が出されるようになり、さらには貿易や投資などの分野で障害と摩擦が増大することになるという。
それだけではない。3カ国の貿易収支には大きなアンバランスがあり、貿易障壁も存在する。日韓は貿易赤字の増減に注目しており、このことがFTAのプロセスに大きな影響を及ぼしている。