中日韓FTAの建設に対し、3カ国にはそれぞれの考え方や態度がある。おおまかにいえば、中国と韓国は比較的積極的であり、日本には推進の意思はあるが環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉の影響を受ける可能性がある。日本は今月23日、TPP交渉に正式に参加し、12番目の交渉参加国となったばかりだ。
宋主任によると、中国の立場で考えれば、中日韓FTAを推進する希望や意思はあるが、今の3カ国の外交ムードは交渉にはふさわしくない。中日韓FTAにおける経済的要因を考えなければならないが、戦略面や安全保障面を考えることも重要だ。よって、中国・韓国間の自由貿易協定プロセスが中日韓FTAの歩みに先行する可能性があるという。
また宋主任によると、日本についていえば、TPPが中日韓FTAに先んじる傾向が顕著で、TPP交渉参加により日本の中日韓FTA交渉への意欲が大幅に後退する可能性がある。とはいえ、日本は「二足のわらじ」戦略を堅持し、TPPからは安全保障面と戦略面でのメリットを得て日米同盟を強固にし、中日韓FTAからは経済的メリットを得ることを目指すとみられるという。