ジェトロの統計によると、今年1~6月に日本企業が実施した東南アジアへの投資額は前年同期比55.4%増で、過去最高を記録、対中国向け投資の2倍以上だった。今年1~8月に日本企業が東南アジアで実施したM&A(合併・買収)は計7403億円に上り、昨年同期の13倍となり、件数でも金額でも過去最高を記録した。
日本が東南アジア市場に力を入れる一方、中国企業も積極的に東南アジア市場での機会を模索し、インフラ分野に進出した企業もある。中国最大の鉄道車両メーカー、中国南車は7月、マレーシアの「ASEAN マニュファクチャリングセンター」に1億2700万ドルを投資すると発表した。また、中越国境の友誼関―ハノイ間の鉄道と高速道路建設にも中国企業が参加する。
広西社会科学院東南アジア研究所の劉建文副所長は「中国企業は高速鉄道の建設では日本企業と競争、高速道路の建設プロジェクトでは韓国企業と競争している」と指摘する。