(3)WTOとTTP
インドネシア・バリ島で開催されていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議で7日、1995年のWTO発足以来、初めて新しい協定が成立した。今回の合意は人々の気持ちを奮い立たせるものだが、新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の部分合意に過ぎず、全面的な妥結にはほど遠い。
貿易ルールの交渉を主体とする多角的貿易体制のWTOの影響力は徐々に薄れてきており、これに取って代わってきているのが貿易・投資ルールの交渉に重点をおく2国間、多国間、地域における貿易・投資体制だ。
米国のバックアップの下、環太平洋経済連携協定(TPP)と2013年初めに始まった環大西洋貿易 投資パートナーシップ(TTIP)の交渉はいずれもある程度の進展がある。
3月と10月に日本と韓国がTPP交渉への参加を表明。米国の財政難や日本との交渉難航がTPP交渉の進行を遅らせているものの、2014年初めには大筋合意に至るとの見方もある。また、欧米も今年、TTIPの第3回交渉を行った。