日本の一人当たりGDPは第二次大戦後すぐに米国の20%に達した。台湾地区と韓国の一人当たりGDPはそれぞれ1970年代と80年代に米国の20%に達した。これらの経済体の成長率はこの後の5年から10年にわたっていずれも8%以上を維持した。中国経済も今後5年から10年にわたって8%近くもしくは8%以上の成長の潜在力を持っていると考えられる。この潜在力は、社会経済制度の改善によって引き出されるべきものである。
長期的に考えて、中国経済の発展には3つの大きな強みがある。第一に、中国経済は大国経済であり、巨大な国内市場を持っているため、国際市場への過度の依存の必要がない。第二に、中国経済は後発型・学習型の経済であり、先進国から絶えず新たなビジネスモデルや技術を学ぶことができる。第三に、中国経済は1980年代末の日本経済とは異なり、体制革新という原動力を持っている。
中国が今後も、政府の総合的な社会統治能力を改善し、法制の効率を高め、金融システムの効率を改善することができれば、長期的な成長の先行きは明るい。