中国経済の第二の成長分野は、既存の生産力の環境型改善とグレードアップである。中国の製造業は、生産力と生産量から言えば世界の先頭に位置するが、各種の生産設備は往々にして高汚染でエネルギー効率が低い。このような旧式の生産力を近代的で高効率の生産力へとグレードアップするには投資が必要となる。この投資は、中国の経済成長を長期的に引っ張る力となる。筆者のおおまかな計算によると、高エネルギー消費の5大産業(非鉄金属、鉄鋼、電力、化学工業、建材)だけでも、生産力の更新には10年の期間が必要となり、GDPの成長を毎年1%引っ張る力となる。その結果としてもたらされる低汚染と低エネルギー消費の生産力は国民の長期的な利益となる。
中国経済の第三の成長分野は、住民の消費である。中国のGDPに占める住民消費の割合は2007年以降拡大を続けており、すでに45%前後に高まっていると見られる。だが住民消費が経済の重要な成長分野となるには、GDP比率が50%を上回る必要があり、これにはさらに4、5年の時間がかかる。
以上のように、中国経済において、最も短期的な伸びが期待でき、長期的に依存できる最大の成長分野は、公共消費型投資と考えられる。(李稲葵 清華大学中国と世界経済研究センター主任)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年8月27日