このような状況に関して同局長はさらに「7~9月の税関統計によれば、輸出入の黒字額は1281億ドルと、前期比48%増、前年同期比111%増となった。しかし為替市場では外貨の供給(売り)がやや不足し、その結果、資本収支が見かけ上の純流出となった(人民元売りが超過)。これはリスクではない」と強調した。その上で、この状況の意味する点について次の3点を指摘した。 ▽政府のマクロコントロールの目標と合致している。政府は国際収支の均衡を目指しており、7~9月期の『経常収支の黒字と資本収支の赤字』はその流れに沿っている。
これによって中央銀行はマクロコントロールを改善し、金融政策の裁量の余地を広げることができる。 ▽企業が外貨預金の保有を高め、一部の企業が海外投資を加速させている。その結果、これまで国に集中していた貿易黒字が市場(企業)に分散する。これは民間の外貨保有を高めるという政府方針に合致している。 ▽2012年末から今年初めにかけて、中国国内に大きな資本流入があった。しかし最近では人民元の上下変動が高まり、内外環境も複雑になり、資金は流入から流出に転じている。