コズル-ライト氏は、TPPなどの貿易協定にはリスクが含まれると判断している。「TPPは貿易協定と呼ばれているが、実質的には異なっている。TPPは金融サービス、資本の流動、知的財産権、国有企業などの事業を重視している。先進国はこれによって、発展途上国の世界経済との融合を加速しようとしているが、政策の差の解消を焦っており、マイナスの効果が生まれている」
コズル-ライト氏は、FTAAPとアジアインフラ投資銀行が結びつく未来に期待している。「インフラの不足は、多くのアジア太平洋諸国が貿易から利益を得るための、最大の障害になっている。アジアインフラ投資銀行は、発展途上国間の協力の重要な部分となる。世界銀行などの伝統的な地域開発銀行が、インフラ不足の問題を適切に処理しているとは思えない。アジアインフラ投資銀行がBRICS開発銀行と共に、関連地区のインフラ整備に長期的な融資を提供することを願っている」
コズル-ライト氏は中国がアジア太平洋の経済・貿易協力で演じる役割について、「中国はアジアインフラ投資銀行のような組織により、地域に発展の資源を提供し、周辺の発展途上国にも市場のチャンスを提供できる」と語った。